2009年1月15日木曜日

至福の時


いつからだろう?
音楽に興味を持ち、憧れを抱き
特にソロアーティストよりBANDスタイルのグループに
子供心にひきつけられていった。
ゴダイゴ、ツイスト、アリス・・・テレビから流れる音と映像。
楽器の演奏からボーカルにいたるまで
全ての音を自分達だけで創り出していく。
作詞や作曲、さらには編曲までもが自分達だけで・・・
  
ただ憧れていた。

 
お気に入りのアーティストの新譜が出る・・・
いつも通いつめたレコードショップのポスターを見て
その日を待つ・・・
 
楽しみにしていたその新しいレコードを買って
自転車を飛ばして家に帰り着く・・・
 
そのまま大急ぎで父のステレオのある部屋に駆け込み
ジャケットを眺めながらゆっくりと針を下ろす・・・
 
”ブッ”という小さな音とかすかなノイズ
胸の高鳴りを感じつつ、新しい ”音” に包まれて
至福の時は満たされていく。
 
その時はひとりだけで誰にも邪魔されず
ただその ”音” に包まれていた・・・
 
毎晩日課のように、その時を楽しんだ。
 
音楽のすごいところは、一瞬にして
気持ちがその時に帰ること。
 
その音を聞き、眼を閉じると、あの部屋の風景がまぶたによみがえる。
 
今はもう決して見ることのできない
想い出の風景に出会えること。

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