2010年4月13日火曜日

咲くやこのはな


このところ、すっかり春・・・と思いきや、今日は冬・・・?
今年はそんな春です。

そのお陰?
このはなが長く楽しめたように思います。
早く咲き始めた木は、すでに葉桜になって
次の季節を思わせてくれています。

この日、とある小学校横の堤防に1本の桜の木を見つけて
思わず車を止めました。

市島町に向かう小さな川沿い。
まだ春休み中の頃、学校にはだれも姿は無く
この桜を愛でる人影も無く
それでも、堂々と咲き誇っていました。

*

最近、”さくら”を詩にした歌が毎年のように流れて
少し、”またか・・・”と思ってもしまいますが
やはり、日本の春はこのはながいちばんの主役・・・

さくら・・・一時、日本人としては
”散り際の美しさ”の象徴として
消え行く命の代名詞のような、
陰りのあるイメージが強かったように思いますが
時代が一歩進んだのでしょうか、
いまは素直に春を尊ぶ花として
妖艶な、それでいて少し寂しさを含んだ
この時期独特の季節感を感じられるようになったんだと思います。

心に住む鬼が居なくては、桜を見て
美しいとも寂しいとも、なにも感じられない・・・

陰陽師の安部の清明はそう言います。

美しさの中に寂しさを感じ、はかなさを尊ぶ感性は
日本人独特のものですね。